1.研究活動「日程」にある通り、8/18~8/23に北ギリシア、8/16~8/17、および8/24~8/30にマケドニア、9/1~9/14にトルコ、カッパドキアで調査を行った。事前にギリシアの考古局、マケドニア正教会、ネヴシェヒル博物館に撮影許可を申請し、計106聖堂において調査と撮影を行った。内訳は次の通りである。⑵海外派遣①ビザンティン聖堂における儀礼化の展開期 間:2015年8月15日~9月17日(34日間)派 遣 国:マケドニア、ギリシア、トルコ報 告 者:金沢大学 人間社会学域人文学類フィールドコース 准教授ギリシア:ミクリ・プレスパ6聖堂、カストリア6聖堂、ヴェリア15聖堂、テサロニキ9聖堂。マケドニア:オフリド10聖堂(調査のみ)、プリレプ7聖堂、ストゥルミツァ2聖堂、スコピエ9聖堂。カッパドキア:ネヴシェヒル県を中心に42聖堂(ギョレメ屋外博物館では調査のみ、初めて調査した3聖堂を含む)。調査は多少の例外を除けば、極めて順調に進んだ。マケドニアのオフリド主教区は撮影許可を一切出さないことで世界的に有名であり、この度も撮影許可は取得できなかった。ギリシアのヴェリアは小さな町であるにもかかわらず、48に及ぶビザンティン聖堂があることで知られている。その内30聖堂に関しては、ヴェリア考古局から許可を取得していたものの(残りは修復中、あるいはギリシア人研究者が研究している最中とのことで許可取得はならなかった)、実際に撮影できたのは半分の15聖堂に留まった。ヴェリア聖堂の内一般公開されているのは1聖堂のみであり、他の聖堂に関しては博物館の職員が調査に随行して、各聖堂の鍵を明けてくれることになっている。しかし、かねてからの経済不況のため、博物館の職員は1人にまで削減されたため調査への随行ができなくなった。このような状況が続くようであれば、今後ヴェリアには調査完遂のために最低でも4~5日程度の滞在を余儀なくされることだろう。― 514 ―菅 原 裕 文
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