鹿島美術研究 年報第33号別冊(2016)
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独自の要素を加味した点が来訪者の興味をかき立て、十分理解されたということであった。できれば、それは単なる異国趣味的な関心を超えるものであってほしいと思う。また、新聞雑誌の批評記事も整理中とのことであったが、日本所蔵フランス近代絵画作品の質の高さ、展覧会の重層的な構成に関して総体として評価は高かったと言明されていた。展覧会カタログも美術館で準備した分は会期中に完売したとのことであった。以上のように、本展覧会はフランス近代絵画をテーマとして、日本とドイツが協力して実現させた画期的な展覧会であったといえよう。これから日本美術、日本文化のさらなる「輸出」「世界化」を推進するうえで、ひとつの参考例、里程標となるのではないかと思う。すべての関係者に心より御礼を申し上げるとともに、美術を通じた国際的な友好関係の構築に今後も努力していきたい。― 537 ―

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