鹿島美術研究 年報第34号別冊(2017)
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調査内容本調査において最初に行ったのは、調査対象の絞り込みである。これまでのインタビューは宮城県美術館の齋正弘氏、酒井哲朗氏へのインタビューをのぞけば、関東・関西の美術館の教育普及担当者に集中している〔表1〕。そこで、本調査においては、1970年代にともに開館した北九州市立美術館および北海道立近代美術館の開館当初からの活動について、担当者にインタビューを行い、これまでのインタビューと比較してどのような違いがあるかを考察することとした。また、特に関東の美術館について、1990年代に、美術館周辺にいてその教育活動を支えてきた佐藤厚子氏と研究者として美術館の外側から活動を支援し活性化させてきた長田謙一氏にインタビューを行い、外部的な視点から1980年代後半から現在までの教育普及活動の状況を明らかにしようと試みた。さらに、北九州市立美術館については、ボランティアが話題の大きな要となったため、開館時から活動しているボランティア4名にもインタビューを行った。1)1.満生和昭氏(元・北九州市立美術館)へのインタビュー日にち:2016年9月23日(金)インタビュアー:前田淳子 鬼本佳代子同席者:重松和美 小松健一郎 土橋佳那子 真武真喜子2.有田照子氏、板野啓子氏、寺内静江氏(北九州市立美術館美術ボランティア2期生)へのインタビュー日にち:2017年10月11日(火)インタビュアー:前田淳子 鬼本佳代子同席者:真武真喜子3.久保洋子氏(北九州市立美術館美術ボランティア1期生)へのインタビュー日にち:2017年1月25日(水)インタビュアー:鬼本佳代子同席者:真武真喜子場所はいずれもOperation Table(協力:真武真喜子)1974年開館の北九州市立美術館は、公立美術館としては初めて美術館ボランティアを導入した館である。開館当初「リビングミュージアム」を基本概念として、具体的― 318 ―― 318 ―

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