とで、葬儀の際やその後の回忌、遠忌の際にはそれぞれの法要にあわせて尊宿の頂相を掛けて法会を行った。続いてその次第の所作(行為)をあげると、「鳴鼓獻特爲湯。住持上香三拜(鼓・獻湯・香)」。「鳴鼓三下。行者鳴手磬。維那出班。(鼓・磬)」「念誦云」「回向云(回向)」。「畢鳴僧堂鐘三下衆散或請就坐藥石(鐘・薬石)」。「昏鐘鳴。再鳴僧堂鐘集衆。(鐘・参集)」「住持上香。維那擧楞嚴呪(香・楞厳呪・行道)」。「回向(中略)(回向・供養・諷誦楞嚴呪)。」「次參頭領衆行者排列。喝參禮拜諷經。人僕排列參拜。(礼拝・諷經)」「次日(6日)早住持上香禮拜。上湯上粥座下側坐陪食。粥罷住持上香上茶。維那擧大悲呪畢。(香・礼拝・湯・粥・香・茶・大悲呪)」「回向上來諷經功徳。(回向・諷經)」「半齋鳴僧堂鐘集衆。向祖排立。住持上香三拜。(半斎・鐘・参集・拝立・香・三拝)」「進爐前。上湯上食請客侍者供遞。俟燒香侍者就祖位側捧置几上。(焼香)」「退就位三拜。仍進前燒香下嚫畢。(焼香)」「鳴鼓講特爲茶如湯禮畢(鼓・茶)」「住持拈香有法語。(拈香・法語)」「行者鳴鈸。(鈸)」「維那出班(行道)」「揖住持上香。侍者捧香合(柄香炉)。次東堂西堂兩序出班上香。大衆同展三拜。(香・柄香炉をもって退出・その後みんなで同じく順番に香・三拝)」「維那白云淨法界身本無出沒。大悲願力示有去來」「宣疏住持跪爐。」「次擧楞嚴呪畢。(楞厳呪・行道)」「回向上來諷經功徳。(回向)」「次行者諷經。(諷經)」(( )内は筆者注)「鈸」とはシンバルのような金属製の法具であり、儀式が始まる時と終わる時に打ち鳴らし、掛真した達磨をこの「場」に奉請(お呼びする)奉送(お送りする)ものである。その間の儀式は、香を焚き、茶・湯を供え、参列僧を鐘で呼び、三拝し、回向し、楞厳呪を誦経し堂内を巡に歩く行道、住持の拈香・法語、鈸の後みんなで焼香、最後に楞厳呪を唱え(行道)、回向を行い行者が諷經をして終わる。同じ達磨忌を『東福寺清規』(注6)にみると達磨忌である10月5日の4、5日前から維那は現住持が達磨から何代目かを数えて疏に書き入れる。四日、前日宿忌からはじまり、道具を仏殿に入れ、達磨の像(彫刻)を担ぎ出し準備する。點供、九拝。五日、まず韋駄天諷經、尊勝陀羅尼三遍、観音経、消災呪を誦し、祖師堂、法堂で大悲呪を誦し、献粥、半斎、衣を着替えて十八拝(一、三拝・二、上湯上食三拝・三、下嚫三拝・四、上香三拝・五、上茶三拝・六、三拝)拈香、行道、半斎、と行うこととなっている。『東福寺清規』は文保2年(1318)頃成立の『恵日山東福禅寺行令規法』より内容が詳細に記載されており、『勅定百丈清規』の祖師忌の次第の補完や変― 404 ―― 404 ―
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