鹿島美術研究 年報第35号別冊(2018)
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表1(左から)図10  バーナード・リーチ《牛乳注》1914 年以前 (『美術新報』1914年12月号より転載)図7、8  バーナード・リーチ 《Three-tiered-Jug》 1913 年、Crafts Ctudy Centre (図8著者撮影)瓢箪のようにくびれのある胴部に、細く上部に向かって開いた首(注ぎ口あり)が付く。2段に分かれた取っ手が、首の最上部から胴の上部に接着する。取っ手は筒状で上部に突起がある。取っ手は本体に対してほぼ垂直に接続する。灰色の地肌に染付で描かれる。首の上部、首と胴の境目、胴のくびれの帯状の彩色によって画面が区別される。胴上部には駆ける動物が反時計回りに描かれ、下部には植物の穂と鳥と蝶が描かれる。注ぎ口の真下に蝶、左右対称に植物の穂と鳥のモティーフが描かれる。モティーフは濃淡2種類程度の均質な描線によって描かれる。取っ手の外側が彩色される。図11  バーナード・リーチ《ヒノモト》1914 年以前 (『美術新報』1914年12月号より転載)器 形紋 様紡錘形の胴部から窄まり、上部に向かって開いた首(注口あり)が続く。取っ手が首の最上部と胴の上部に接着する。取っ手に施された陰影表現から、取っ手の断面は下側は直線的で上側は湾曲した蒲鉾状と考えられる。褐色を帯びた地肌に染付で描かれる。胴部全面に、器物の湾曲に合わせて穂を垂れる植物、蔓状の植物、土壌、風景を思わせるモティーフが描かれる。描線のストロークは長く、濃淡・肥痩の差、かすれが目立つ。輪郭線は使用されない。「壺」(図1、2)― 405 ―― 405 ―《Three-tiered Jug》(図7、8)図9  バーナード・リーチ《Storm》 1913 年(Simon Olding, Etchings of Bernard Leach, Crafts Study Centre, 2010より転載)《染付紋章付壺》(図4-6)球形に近い胴部に円筒形の首(注ぎ口に近い凹凸あり)が付く。取っ手が首の上部から胴部にかけて接着する。取っ手は筒状で上部に突起がある。取っ手は本体に対してほぼ垂直に接続する。灰色の地肌に染付で描かれる。首(幾何学文様)、胴中央部(紋章、獅子、蛇をつかむ右手)、胴下部(装飾的文様)に分かれる。描線は均質で、濃淡2種類程度の差をつけた釉薬によって描かれる。部分的に輪郭線を用いる。取っ手に輪状の彩色がある。

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