鹿島美術研究 年報第35号別冊(2018)
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15:35~15:45小休憩16:45~17:00小休憩パネラーの発表(2)15:45~16:45(各20分×3名) 松井裕美(名古屋大学):「第二次世界大戦後のピカソの陶器制作と展示における「アナロジー」の思想─過去の継承と再解釈に関する一考察」大久保恭子(京都橘大学):「境界侵犯者としてのピカソのプリミティヴィスム─変奏と独創─」 町田つかさ(和泉市久保惣記念美術館):「ピカソと日本 大戦を越えて、相互的受容の様相」全体討議(司会:大髙保二郎)17:00~18:00閉会挨拶マドリーヌ氏は、ピカソがその創造活動においてアングルに高い関心を示していた事実を豊富な資料を駆使して実証しピカソの古典主義の源泉を論証した。続いて、他の発表者がシンポジウムのテーマを巡って発表を行い、ピカソが祖国スペイン美術はもとより、フランス、イタリア、日本、アフリカの美術から多くの着想を得、文字通り、「人類の美術」がピカソの発想源となっていたことが改めて示されると共に、そうしたピカソの参照が、模倣、引用、剽窃といった言葉の如何を問わず、常に「創造的関与」として実践されていた事実が明らかにされた。全体討議では、会場からも多くの意見や質問が出され活発な討議が行われた。来聴者は、約50名であった。マドリーヌ氏は、その他、関西滞在中に、直島の地中美術館を調査した。2)学術講演会「ピカソ再考」マドリーヌ女史の他に、イタリアから招聘中であったペルージャ大学名誉教授のカ― 433 ―

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