鹿島美術研究 年報第35号別冊(2018)
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中世学会の学会誌『西洋中世研究』第10号に寄稿する予定である。本事業の成果をより広く世に問うため、邦語版と欧文版の研究発表論集を日本とフランスの出版社で、それぞれ2019年に公刊する準備を進めている。大和文華館の古川攝一学芸員をはじめ、シンポジウムでの発表時より量・質ともに一層充実した論考を寄稿して頂くことになっている。いっぽう報告者が事務局委員、国際交流委員を務める西洋中世学会では、国際シンポジウムを日本で開催する際の問題点や、今後の課題などを論議する会を設けることを企画中である。メネストレル主催のシンポジウムからは、外国人による日本関連の論文を翻訳して頂いた方に、当該作業における問題点などをご報告願う予定である。当該企画の成果は、以上に留まるものではない。関係者個人のみならず、当該事業の後援、協賛、助成、協力団体や、学術機関、学会、研究グループ、美術館、図書館、出版社、行政機関、フランス関連団体、国際交流団体などにポスター・チラシの掲出や、ウェブサイトでの案内をお願いしたため、様々な分野の方に事業内容を知って頂くことができた。また、シンポジウム発表者であるハンノ・ウェイスマン氏、ブノワ・グレヴァン氏、アルバン・ゴチエ氏、フィリップ・ビュック氏は、同シンポジウムで司会や発表をして頂いた蜷川順子氏(関西大学)、黒岩卓氏(東北大学)、山中由里子氏(国立民族学博物館)、小澤実氏(立教大学)の所属機関にそれぞれ迎え入れられ、講演の機会を得た。小澤氏にあっては、アルバン・ゴチエ氏とフィリップ・ビュック氏の論考翻訳を、『史苑』と『立教大学日本学研究所年報』に掲載する手配をして頂いている。以上、多くの研究者の実りある交流につながった当該事業を開催する手段を与えて下さったことに改めて厚くお礼申し上げたい。⑴プログラム等の全ての関連資料は、メネストレル(http://www.menestrel.fr/spip.php?rubique1877&lang=fr&art=fr#4714)のほか、日本学術研究支援協会(http://jarsa.jp/event/a06/pref29/7661/)が運営するウェブサイトを参照されたい。― 443 ―

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