前掲注⑹河野氏論文 前掲注⑿167頁 岩切信一郎「メディアとしての近代版画史 第五回 明治の大量出版物─暦とカレンダー」 周延の代表作「千代田之御表」(明治30年刊)に菊池容斎『前賢故実』からの図像借用が認められる。また、既に村田孝子氏が指摘する通り「時代かがみ」(明治29~同32年刊)に『骨董集』の図像を引用している。 周延の浮世絵版画では、明治20年代に図案集を利用したとみられる作品が増える。 前掲注⑿214頁 前掲注⑿218頁 Bruce A. Coats, ed., Chikanobu: Modernity and Nostalgia in Japanese Prints, Hotei Publishing, 2006, p.⒁小野忠重は美人芸者を表した石版額絵を例に「明治二十一年八月熊沢喜太郎の「芸者小てる」は翌年二月に「名妓小福」で出る。同じ絵を文字だけ変えて二人の芸者に仕立てるぐらいなんでもなかった。」(『日本の石版画』美術出版社 1976、125頁)と述べる。渡辺忠久や吉原秀雄、桑田正三郎らの石版額絵でも同じ女性の顔が別作品で使い回されている。⒂井上章一『美人コンテスト百年史 芸妓の時代から美少女まで』朝日新聞社 1997⒃岡塚章子「小川一眞撮影「凌雲閣百美人人工着色写真アルバム」についての考察」『東京都江戸東京博物館研究報告』15号 東京都江戸東京博物館 2009⒄本稿で取り上げたちりめん写真帖『東京百美人 Geisha of Tokio』の内容は『凌雲閣百美人』とは異なる。⒅前掲注⑻我妻氏論文⒆庵原理恵子「幕末から明治期社会における〈浮世絵〉の果たした役割に関する動態的研究─浮世絵師芳年の端境期における制作を中心に─」『鹿島美術財団年報』27号 鹿島美術財団2009⒇山本祥子「「明治女礼式浮世絵」の研究」(筑波大学修士(図書館情報学)学位論文 2016) 井上章一『美人論』リブロポート 1991、177頁 周延の美人画についてその出来ばえを称賛する声が上がる一方、女礼式主題の作品については面白みに欠けるという感想が当時の新聞記事の中にも見られる。193『版画芸術』39巻3号 阿部出版 2010― 146 ―― 146 ―
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