表2 日本の往生伝や説話に見られる天童・護法童子の本地表1 兜率天からの天童、童子1-1法華持経者・僧生のもとに「天童子」が来訪、兜率1-2法華経持経者・妙蓮のもとに天童と化仏が来迎、兜1-3法相宗の僧・惠海の夢に「二人童子」(「天童子」「天1-4源信の臨終前、兜率天・弥勒の使者である2人の天童が兜率天往生の予告に現れる。洪法師の臨終時、兜率天から「童男、童女」が来迎するものの、西方往生を希望する。(迦才『浄土論』では「天男、天女」と表記)1-51-6兜率天往生を祈念する沿 の夢に青衣童子が現れ、1-7兜率天から童子が来迎するものの、西方往生を希望2-12-22-3帝の夢に比叡山の薬師如来の使者である2人の天童が登場する。那智の滝で苦行し息絶えた真言僧・文覚を八大童子と、不動明王の使者である「みづらゆうたる」天童2人(矜羯羅と制吒迦)が救命する。2-42-52-6性空が、乙若の2童子は毘沙門天から賜った眷属であることを明かす。師の円仁の命で夢中に現れた3人の童子が金剛童子と名乗り、使役するにはまだ相応の力が及ばないことを告げる。2-7天往生を予告する。率天内院に往生するものの、娑婆世界に還来する。『法華傳記』6代州總因寺・釋妙蓮伝童」とも表記)が現れ、兜率天内院を案内する。『三寶感應要略録』巻下、惠海伝弥勒の造像を勧める。する。地獄に赴いた法華持経者・蓮秀(醍醐の住僧)を4人の天童が守護し帰還を諭す。さらに帰途、賀茂明神の使者である2人の天童が迎える。2人の「童子」の本地を十羅刹女(黒歯と華歯)に仮託する。(厳島に参詣した清盛の夢)厳島大明神の使者を名乗る「鬟結たる天童」から「銀の蛭卷したる小長刀」を賜る。― 313 ―― 313 ―『法華傳記』巻4、晋蜀三賢寺・釋僧生伝、他に、『高僧伝』巻12、『弘賛法華傳』巻6、『集神州三寶感通録』巻下、『大唐内典録』巻10に採録『今昔物語』源信伝、『本朝法華験記』巻下83「楞厳院源信僧都」『往生西方浄土瑞応伝』第10、洪法師伝、迦才『浄土論』『三寶感應要略録』巻下、沿 伝『仏祖統記』巻27、淨土立教志第12之2、壽洪伝『法華験記』中、70、蓮秀法師伝『法華験記』中、79、仏蓮上人伝『源平盛衰記』巻4、頼雅歌事『平家物語』巻5、文覚荒行『平家物語』巻3『今昔物語集』「書写山性空聖人語」第34『拾遺往生伝』下、1、無動寺・相応和尚伝
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