能仁晃道 訓読『訓読五灯会元 中巻』禅文化研究所、2006年⑽金沢弘「琴棋書画図屛風」『日本屛風絵集成4 漢画系人物』講談社、1980年⑾谷信一「研究資料 御物御画目録」『美術研究』58号、1936年⑿『碧山日録』長禄3年11月14日条【原文】問清岩相接悦、掛其壁以梁楷之所画人物、其所為也。野客群聚、設場為楽、有一人長身癯瘁、樺冠草履、疎布短袴而鳴小鼓、其一人大面豊偉、着鹿皮裘、而手拍板子、其一人大目長髯、被碧色衣垂長袖。低回為舞、老艾遶其傍六七人也、或笑或嘆、咸佩農器、又有小童、騎水牛過前坡、而回顧舞場者、其精妙可以愛也、清岩曰、此村田楽図也、余曰、此楽也。耳聴目未見之也、今覩之如身自入其場者、不覚為之抃手也、【訓読】野客群聚して場を設けて楽を為す。一人有り。長身にして癯瘁なり。樺冠・草履、疎布・短袴にして小鼓を鳴らす。其の一人、大面にして豊偉。鹿の皮裘を着て手に板子を拍つ。其の一人、大目にして長髯、碧色の衣を被り、長袖を垂る。低く回りて舞をなす。老艾その傍を遶ること六、七人なり。或いは笑み、或いは嘆く。咸く農器を佩けり。又小童有り。水牛に騎りて前坡を過ぐ。而して舞場を回顧するは、其の精妙、以て愛すべきなり。清岩曰く、此は村田楽の図なり。余曰く、此の楽なり。耳に聴くも目には未だこれを見ず。今これを覩るに、身自ずから其の場に入るが如し。覚えずして之がために手を抃つなり。⒀虞集「題村田楽図」『道園学古録』台湾中華書局、1971年尺素自是髙唐物。蛍如秋水宜設色。何人画此畎畝間。二三老人若相識。茅屋蕭條古樹下。農務未殷牛在野。或憐鸜鵒脱籠縶。或弄獮猴笑真仮。老翁政自如児嬉。髙髻襁負相扶持。古時枌社祀田祖。移饌髙亭隨所宜。抱甕初來未貯酒。亦有生鵞宛延首。村優競携楽具至。犬怪鶏驚児拍手。拄杖出門欣見賓。雑花満庭生好春。歳時無事得如此。撃攘何必非堯民。騎驢過橋殊矍鑠。携具荒陂来赴約。定知張果千歳人。遊戯人間共杯酌。⒁「弄猴人」の用例として、唐代の詩人羅隠によるつぎのような自作への題「感弄猴人賜朱紱」がある。十二三年就試期。五湖烟月奈相違。何如学取孫供奉。一笑君王便著緋。⒂田中一松「梁楷の芸術」『美術研究』184号、1956年⒃高野辰之『歌舞音曲考説』六合館、1915年⒄西岡芳文「田楽─その起源と機能を探る─」『職人と芸能』吉川弘文館、1994年⒅周密『武林旧事』上海古籍出版、1993年⒆西胤俊承「村田楽図」『真愚稿』（『五山文学全集』第三巻）村優狂態極娯嬉。酒熟新 作社時。補袞豈無莘埜叟。酔中混跡少人知。⒇浜一衛『日本芸能の源流 散楽考』角川書店、1969年 戴復古「題申季山所蔵李伯時画村田楽図」『石屏詩集』台湾商務印書館、1981年春秧夏苗秋遂穫。官賦私逋都了却。鶏豚社酒賽豊年。酔唱村歌舞村楽。鼓笛有声無曲譜。布衫顛倒傞傞舞。欲識太平真気象。試看此画有佳趣。管絃声按宮商発。細転柳腰花十八。羅幃綉幕払香風。九醞葡萄金盞滑。王孫公子巧歓娯。勿将富貴笑田夫。非渠耕稼飽君腹。問有黄金可楽無。潭州北禅智の賢禅師。僧問う、如何なるか是れ仏。師曰、匙も挑し上らず。曰く。如何なるか是れ道。師曰、険路に橋を架く。歳夜の小参に曰く。年窮まり歳尽く、諸人と分歳す可き無し。老僧、一頭の露地の白牛を烹、黍米の飯を炊き、野菜の羹を煑、焼榾の火を柮き、大家喫し了り、村田楽を唱ふ。何が故ぞ。他の門戸に倚り、他の墻に傍って、剛いて被時の人に喚ばれて郎と作さるることを見ることを免るる。便ち下座して方丈に帰る。（下略）― 384 ―― 384 ―
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