注⑴1609年以降、オランダ東インド会社及びオランダ政府により次第に支配地域が拡大され、20世紀には現在のインドネシア全域に及んだ。なおインドネシア及びインドネシア人という名称は、本来1949年の独立以後に適用されるものだが、本稿では便宜上、それ以前についても用いる。までもない。とくにバタヴィアを中心とする外国人美術サークルの影響や、大衆的な視覚文化についての調査研究は、ここで考察してきたことを発展させ、20世紀のインドネシア近代美術をめぐる複雑な影響関係を探るために、きわめて重要な視点を提供してくれるだろう。これについては今後の課題としたい。⑵2018年10月7日現在、データベースの総登録件数は743,730件。録写真約800点も所蔵されているが、ここでは省いた。⑸レンパッドはバリ島の芸術家組合ピタ・マハの中心人物だったルドルフ・ボネ（RudolfBonnet）やヴァルター・シュピース（Walter Spies）によって、マス・ピルンガディは王立バタヴィア協会（Koninklijk Bataviaasch Genootschap）やオランダ人編集者 J.E.ヤスパーとの共著本『オランダ領東インドの芸術』（J.E. Jasper and Mas Pirngadie, De Inlandsche kunstnijverheid inNederlandsch Indië, 's-Gravenhage: Mouton & co., 1912－1930）によって有名になった。⑹熱帯博物館が所蔵する〔図2〕と同形式同主題の作品について、次の論文で詳しく論じられている。M.I. Cohen, T.E. Behrend and T.L. Cooper “The Barikan Banner of Gegesik. Ritual and Historyin a Village Painting from Colonial Java” Archipel 59, Paris, 2000, pp. 97－144⑺スジョヨノの所蔵作品はないが、1973年に熱帯博物館で個展が開催され、画家自身も来場している。⑻1913年に出版されたチャトルの水彩画集は「Mooi Indië」を題名とした初めての出版物だが、そこに収録された作品はそれ以前の甘美な風景画を再生産している。⑼バリ建築を模したオランダ館において、パウリデスの壁画3点（La réception de Cornelis deHoutman à Java en 1595; Batavia, fondeè en 1619, au 17e et au 18e siècle; Epoque moderne. Industriecommerce transports）、セイヤースの壁画3点（Un voyage d'un roi à Java au 14e siècle; La vie de lapopulation de l'ile de Bali; Types De la Population Indigene）などが展示された。⑽1931年のパリ国際植民地博覧会・オランダ館の顛末については以下が詳しい。Koos Van Brakel,Charles Sayers 1901－1943: Pioneer painter in the Dutch East Indies, Amsterdam: KIT Publishers, 2004,pp. 58－69⑿次の論考でサレーの複雑な心境が紹介されている。John Clark “Colonial Art as a Space of thehttp://collectie.wereldculturen.nl/default.aspx?lang=en#/query/8c71dee9-8196-4238-9508-d999498bbf79⑶ジャワ人初のプロ写真家として有名なカシアン・チェパス（Kassian Cephas, 1845－1912）の記⑷Leo Haks and Guus Maris, Lexicon of Foreign Artists Who Visualised Indonesia （1600－1950）: Surveying Painters, Watercolourists, Draughtsmen, Sculptors, Illustrators, Graphic and IndustrialArtists, Utrecht: Gert Jan Bestebreuje, 1995⑾Werner Kraus “Raden Saleh's Interpretation of the Arrest of Diponegoro: an Example of Indonesian“proto-nationalist” Modernism” Archipel 69, Paris, 2005, pp. 259－294Asian Modern” Charting Thoughts: Essays on Art in Southeast Asia, National Gallery Singapore, 2017― 567 ―― 567 ―
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