田中隆史による日本近代陶芸の歴史、 及び自身の作品シリーズ「空」について図3 三上亮氏による施釉の方法フレデリック・ボデ氏によるEmprunter pourréinventer(再創作の為の模倣)図4 炭窯の説明6 ワークショップを終えて日本的な窯の焼成技術をフランス側より要請され、三上氏、山本氏、田中で事前に協議し、窯の構造を考案した。原料であるフランスの炭がどのような燃え方をするのか解らなかったので、エアーの量が調整しやすい窯を作ることに決め、ワークショップに臨んだ。釉薬の調合は、扱う原料に日本と違いがあるため、釉薬調合の共通言語であるゼーゲル式によって事前に調合を任せた。しかし原料が揃わないハプニングに見舞われ、別の材料で調合をやり直す事態となった。このようにワークショップでは、時にいろいろなハプニングが起こる場合があるが、その都度解決方法を探ることで見つかる技術があり、その困難を乗り越えることで生まれる交流がある。今回も釉原料の他、窯の構造面でも、ロストルで使う耐火物を別の窯材から応用した。さらに焼成時のエアー調整をガンコンプレッサーで用いるなど、普段使わない方法で無事に乗り切ることができた。フランスの学生や先生も積極的にワークショップに参加し〔図7〕、言葉を超えた陶芸技術を伝えることが出来た意義深い一日となった。― 603 ―― 603 ―(文責:田中隆史)図1 シンポジウム第一部 図2 シンポジウム第二部
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