鹿島美術研究 年報第36号別冊(2019)
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による研究発表が行なわれた。初日の発表の進行および討論の司会は、ユキオ・リピット氏(ハーヴァード大学教授)と髙岸輝氏(東京大学准教授)によって行なわれた。また、セッション終了後には同博物館平成館の講堂前ラウンジにおいて午後7時より、参加者全員のための歓迎レセプション(ウェルカム・ビュッフェ)が開催され、国内外の研究者の交流の場として盛況を呈した。二日目の3月11日(月)は午前9時より参加登録が行なわれ、9時30分よりセッションⅡの後半が行なわれた。研究発表は午前3名、午後6名により行なわれ、発表の進行と討論の司会はデイヴィッド・ロクスバー氏(ハーヴァード大学教授)と池上裕子氏(神戸大学准教授)によって行なわれた。この間、昼食休憩時にCIHA本部事務局委員会(ボードミーティング)と各国代表12名(および日本副代表1名)が参加したCIHA総会が開催され、数か国から提出された新委員候補が承認されたほか、イタリアとブラジルの連携により2019年秋にフィレンツェと翌2020年秋にサンパウロで二回に分けて開催されるCIHA第35回大会について議論が交わされた。また、昼食後、2019年度秋に京都で開催予定のICOM Kyoto 2019(国際博物館会議京都大会)の紹介が同大会組織委員長である佐々木丞平京都国立博物館長により行なわれた。さらにコロキウム終了後、発表者とCIHA本部役員および国内委員会委員による歓送会が同博物館東洋館内レストランで行なわれた。コロキウムの参加者は、発表者や実行委員会委員を含め158名を数え(うち55名が外国人)、17の国と地域に及んだ。なお、今後、コロキウム発表者に発表原稿の推敲を依頼し、報告書をe-book形式で編集し、コロキウム共催機関である大塚国際美術館のホームページに掲載する予定である。3.会議の成果と今後の課題今回、参加者が158名に達し、日本を含む17の国と地域に及んだことは、2日間の比較的短い会期で行なわれ、しかもテーマを東アジア美術に限定した国際研究集会であったことを考慮に入れると、本コロキウムが内外の研究者の幅広い関心を集めたことがうかがえる。また、日本を含む15の国と地域から73名の発表応募者があったことも関心の高さを反映するものであったと同時に、研究発表の質の高さにもつながったものと考えられる。さらに、発表者とフロアの参加者との間で活発な議論が、英語だけでなく、フランス語、中国語、日本語で交わされたことも含め、他国開催の事例と比較して、本コロキウムの質と手際の良い会議運営とに対し、各国のCIHA役員から高い評価が与えられた。― 626 ―― 626 ―

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