― 336 ―― 336 ―(注8)。松方は関西を訪問・通過する際、しばしば御影の川崎別邸に滞在した。の調査を通して判明した事項を、前稿で作成した年表に反映した〔表1〕。今回追加した事項は、太字で明記している。■開館及び第1回展観開館式:明治23年9月6日(土) 第1回会期:同年9月7日(日)・8日(月)開館式には伊藤博文をはじめとして、兵庫・京都・大阪・滋賀・三重・奈良等の各府県高等官、居留地外国人領事、貴族院議員、新聞記者などが約二百名ないし約三百名出席したこと(注3)、出席が叶わなかった宮中顧問官・九鬼隆一の祝辞にはヨーロッパでは私立美術館は多数あるが、日本では川崎美術館が嚆矢であると示されていることがすでに明らかとなっている(注4)。そのほか、日本銀行第3代総裁・川田小一郎が出席予定だったが、都合により延期したことが判明した(注5)。川崎正蔵は政治、経済、文化の有力者たちを招待しており、招待客の関心も高かったことがうかがえる。■第2回展観会 期:開幕日不明~明治24年(1891)10月4日(日)開館日:10月4日以外は不明前稿執筆時は会期不明だったが、明治24年10月4日閉幕と判明した(注6)。9月15日には伊藤博文が布引川崎邸を訪問し、終日囲碁将棋を囲んでおり、この折に美術館も訪れた可能性がある(注7)。■第3回展観会 期:明治25年(1892)9月18日(日)~11月6日(日)開館日: 9月18日、10月2日・16日、11月6日(第1・第3日曜日(雨天の場合、翌日曜に順延))10月2日には、総理大臣兼大蔵大臣辞任直後の松方正義が川崎美術館を訪問した■第4回展観会 期:明治26年(1893)6月4日(日)~7月16日(日)開館日: 6月4日・18日、7月2日・16日(第1・第3日曜日(雨天の場合、翌日曜に順延))
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