― 655 ―― 655 ―プログラムセミナーは午前9:00-10:30、11:00-12:30、午後13:30-15:00、15:30-17:00の時間帯で行われた。1コマの中でテーマに沿った短いセッションを3件程度行い、午後の後半はティーチャソンと名付けられた学びの振り返りと、学びの応用を実施した。プログラムの大枠を以下に示す。9月9日 開会式、私たちは誰で何をしに来たのか?:記憶から世界地図を描く、有田ガイドツアー9月10日 コミュニケ―ション、学ぶ、教える:私たちはどのように学ぶか?感化される学び9月11日 Go Digital:技術と道具、デジタルラボ9月12日 価値を軸に:なぜ私たちはケアするのか?作品履歴・侘び寂び金継ぎ、価値の喪失、インターナショナルディナー9月13日 有田フィールドワーク:サイトツアー人間国宝、重要性の評価、ローカルコミュニティーと権益者、身体記憶を通じた文化の保存と教える学ぶ9月14日 午前 公開フォーラム:世界の文化財は今 Sharing Experiences 経験の共有 午後 長崎原爆資料館、出島見学エクスカージョン9月16日 保存のリテラシー:分野横断、記録、文化財の取り扱い9月17日 科学のリテラシー:科学手法、科学知識を紐解く、サンプリングと計測9月18日 意味のあるカリキュラムの開発:明日の文化財専門家、学ぶ人中心のデザイン、活発なカリキュラム9月19日 学びのインスピレーション:難しい作品の移動、神話とタブー、先住民の伝統的知識9月20日 未来に向けて:振り返り、次は何?、自分への手紙、閉会式イクロムではアクティビティーを「モダリティー(modality)」と表現している。モダリティーとは様式や形を意味し(model)、これを「ダイダクティク・ツール(didactic tool)」つまり「教育的な道具」とも言い替えていた。参加者の多くは大学や大学院で理論を講義で、実技をデモンストレーションと実践という3つのパターンで教えていることが多い。セミナーでは学びの形は多様であり、いろいろなアプローチの方法で文化遺産保護の本質を学べることが伝えられた。教え方のハウツーを期待して参加した者は、モダリティーの数々を短時間で実践するセッションに最初はとまど
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