鹿島美術研究 年報第37号別冊(2020)
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注⑴Kettle, K.C. and Saul, L. (eds) 2004. Guidelines for managing the integration of culture intodevelopment programmes. Bangkok, Thailand: SEAMEO: SPAAFA, p. 123.⑵Eastop, D. and Similä, K. 2007. Documentation as process and outcome. In: R. Varoli-Piazza (ed.) Sharing Conservation Decisions. Rome: ICCROM, pp. 114-7.⑶Similä, K. and Eastop, D. 2017. Celebrating different points of view. In: ICOM-CC 18th TriennialConference Preprints, Copenhagen, 4-8 September 2017, ed. J. Bridgland. Paris: International Councilof Museums. CD: art. 0309.― 657 ―― 657 ―映像と写真の撮影はできなかったが、参加者らはロールプレイの経験から次々に酒井田氏に質問してノートに記録していた。ロールプレイが学びを実践に導く道具となる、そして文化財の現場こそが最も教育的効果が高いことを示すセッションの一例である。佐賀大学有田キャンパスで開催したイクロムのセミナーは、文化遺産の保護、文化遺産の社会認識の向上、人材育成にかかわるネットワークを世界と地域に広げる機会となった。持続可能な社会の形成にむけて私たちが取れる行動は何かをゼロウエースト活動を通じて考えたことで、ポリシーをコミュニティーに伝達し、参加者も地域も協力して文化遺産保護、環境保全そして国際化にむけた活動の輪に加わった。これは大学および地域の意識付けにつながり、国際機関のセミナーを有田町で開催した意義は大きい。セミナーの報告は英語と日本語で発行を予定しており、教育理念と手法については講師らが共著で学会誌で投稿した(注4、5)。⑷石井美恵、小坂智子「学習者中心の文化遺産教育:佐賀大学有田キャンパスで開催したイクロム夏期セミナー2019 文化財の保存と科学のためのコミュニケーションと教育スキル」文化財保存修復学会誌63、9-16(2020)。⑸石井美恵、奥島希子、森田智香子、吉川千夏、茶圓彩、ブレィヴァネッサ「文化遺産教育におけるゼロ・ウェイストの取り組み」九州地区国立大学教育系・人文系論文集7(1)、1-7(2020)。〔写真〕イクロム夏期セミナー2019 9月9日佐賀県有田町陶山神社にて

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