― 669 ―― 669 ―モも、デジタル化に当たり資料として画像化し、画像データを配列する順番も辻本人が整理したスライドの配列順に忠実に従うこととした。平成30(2018)年3~4月:デジタル画像への複写作業に入る前に、その対象となるスライドと対象外スライドを仕分けし、さらに対象スライドを整理する基礎作業として、アルバイト3名(神津有希、朝倉南、筒井彩)による分類作業を開始した。この作業の結果、デジタル化対象スライドとして段ボール10箱(内訳:9箱スライド、1箱写真紙焼き、ネガ)、対象外スライドとして段ボール2箱(購入スライド、複写スライドは全体で約3割に相当し、主にイタリアやフランスの美術館等で購入したもの)という分量になった(なお対象スライドとなった計87点の箱のナンバリング、各撮影地域・画像点数については、資料として付した〔辻佐保子教授旧蔵スライド箱別リスト〕を参照のこと)。平成30(2018)年5~6月:デジタル画像撮影を担当するカメラマン瀧澤国敏が、撮影用機材(デュプリケーター)の作成と試行撮影を進めた。照明テストを実施し、ストロボ3つ(マウントも撮影するため上から2つ、下から1つ照射。ストロボには光が拡散しないようハニカムグリッドを装着)で試行した結果、この方法を採用した。スライドを載せるアクリル製ライトボックスを作成し、そのスライドを流すレールは、各スライドの縦幅が異なるため上部は固定、下部は可動式とした。スライドはスペーサーで挟んで撮影し、撮影終了後ゲートを開けて流していく形式とした。平成30(2018)年6~8月:瀧澤によるデジタル画像の撮影が開始され、8月時点で対象スライド10箱のうち3箱が終了した。当初の想定より撮影時間を要した理由は下記の通りである。1.糊の劣化によりマウントから外れたスライドが多くあり補修をした。2.劣化した糊が粉状になりフィルムに付着しているもののクリーニングを行った。3.露出に大幅な個体差があり、色味を出来るだけ再現できるよう光量を変えて各スライドを複数枚撮影した。4.露出不足のものは透過光を強く調整しながら撮影した。なおこれら複数枚撮影した画像の中から最も質の高い画像を選択し、データベースに用いた。平成30(2018)年9月:スライドの修復状況を確認し、瀧澤によるスライド現物と撮影データの対照確認が終了する平成31(2019)年2月より目録作成のサンプリングを開始することとした。フランスのスライドは木俣、イタリアのスライドは加藤の担当とし、補助アルバイトとして適当な人材を確保することとした。平成30(2018)年12月:目録作成補助アルバイトとして、伊藤怜(東京造形大学)、瀧本みわ(日本学術振興会/洗足学園音楽大学)、米倉立子(立教大学/尚美学園大学)
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