鹿島美術研究 年報第38号別冊(2021)
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注⑴シャーマンの来日にあわせて、1991年2月2日、4日、5日、20日、27日数回にわたって実施。インタビュー:三好寛佳(美術の図書 三好企画)、通訳:中川経子、河村泳静同席、20、27日は米倉守も参加。今回、三好企画のご厚意でインタビューの音声データの一部を提供いただき、英語部分の文字起こしを行った。文字起こし:宮内愛た。これらのプライベート資料は、作家存命中は公開されることはなく、本人と夫人が亡くなった現在、慎重に調査が進みつつある。シャーマンがこれほど幅広い交友をもったのは、一つには彼が凸版印刷、アーニー・パイル劇場、座間キャンプと、日本で複数の職場をもち、そこで築いた人脈を日米で広げていったことによる。また、アメリカ人だったシャーマンの残した資料の中には、本来、日本人には入手し得なかったものも多く、それらが日本に原資料として残されている意義は大きい。コレクション調査の進展は交友のあった画家のみならず、戦後の日本美術における新たな事実を明らかにする可能性を秘めているからである。謝辞下記の方々より、貴重な資料のご提供やご助言をいただきました。記して感謝いたします。一柳友子氏、今村圭吾氏、岩田希美氏、河村泳静氏、菅野晶氏、北湯口孝夫氏、桑原規子氏、佐藤幸宏氏、関野準平氏、関野洋作氏、中川経子氏、西田真氏、橋秀文氏、山地治世氏、脇田智氏伊達市教育委員会、特定非営利法人 噴火湾アートビレッジ、北海道立近代美術館、美術の図書 三好企画、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館⑵『履歴なき時代の顔写真 フランク・E・シャーマンが捉えた戦後日本の芸術家たち』(米倉守監修、三好企画製作・発売)、アートテック、1993年⑶コレクション継承と寄託の経緯については『河村泳静所蔵 フランク・シャーマン コレクション選』伊達市教育委員会、2018年、4、5頁参照⑷佐藤由美加「フランク・シャーマンの戦後日本における交友と活動の軌跡─1948年の写真と手紙を中心に」『北海道立美術館・芸術館紀要第30号』北海道立近代美術館他、2021年⑸『フランク・シャーマンと戦後の日本人画家・文化人たち』展図録、目黒区美術館、1994年⑹『河村泳静所蔵 フランク・シャーマンコレクション選』北海道伊達市教育委員会、2018年富田芳和『なぜ日本はフジタを捨てたのか 藤田嗣治とフランク・シャーマン 1945-1949』静人社、2018年⑺「フランク・E・シャーマンAlbum」注⑵、76頁⑻『凸版印刷株式会社六拾年史』凸版印刷株式会社、1961年、150頁― 466 ―― 466 ―

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