報 告 者:多摩美術大学 准教授 大 島 徹 也本研究「ジャクソン・ポロック─その芸術と人生」は、ジャクソン・ポロック(アメリカ、1912-1956)の芸術と人生を包括的に再考しようとするものである。原稿執筆は三年度にわたって進め、最終的に本研究を一冊の同名の書物へとまとめ上げる計画になっている。ここでは、本研究の概要を示したのち、一年度目の研究活動状況の報告を行う。本研究では、1912年から1956年までのポロックの44年の生涯を、次のように7期に分け、それぞれに一章を割り当てて考察を進めていく予定である。第1章「生い立ち─西部時代」(1912~1930年)、第2章「初期─自己を探し求めて」(1930~1941年)、第3章「形成期─モダンアートへの参入」(1942~1946年)、第4章「成熟期①─革新の時」(1947~1950年)、第5章「成熟期②─新たな実験」(1948~1950年)、第6章「後期─黒の絵画」(1951~1952年)、第7章「晩期─苦悩の中で」(1953~1956年)(注1)。原稿執筆の各年度の進行計画は、当初、次のようにしていた。一年度目(2021年度):まえがき、序論、第1章、第2章、第3章。二年度目(2022年度):第4章、第5章。三年度目(2023年度):第6章、第7章、結び、ポロックの各種ステートメントの和訳、年譜、個展歴など。しかしながら、実際に原稿執筆を進めていくなかで、ポロックの各種ステートメントの和訳や個展歴の作成を先に完了させる必要性を認識することになり、またCOVID-19の影響で第3章に関連する海外調査ができなかったこともあって、一年度目の実際の進捗は、まえがき、序論、第1章、第2章、ポロックの各種ステートメントの和訳、個展歴となった。この状況を受けて、今後の進行計画を、ここで次のように修正したい。二年度目(2022年度):第3章、第4章、第5章。三年度目(2023年度):第6章、第7章、結び、年譜など。― 571 ―― 571 ―1.2020年度助成Ⅱ.「美術に関する出版援助インターミディエイト」研究報告①ジャクソン・ポロック─その芸術と人生
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