鹿島美術研究様 年報第39号別冊(2022)
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Couturier, Marie-Alain, “Religious Art and the Modern Artist”, ■■■■■■■■■■■■■■■, XLIV, No. 7 (November 1951), pp. 268-272; Rubin, ■■■■■■■., p. 69. クチュリエ神父は渡米後、芸術について言及する際、「聖なる(sacred)」に代わって「精神的(spiritual)」という言葉を使うようになった(Orenduff, ■■■■■■■., p. 121)。クチュリエ神父の言う「天才」や「大芸術家」とは、「常に霊感によって作品を創り出す、生れながらにして霊的な直観力を具えた」芸術家たちであった。それは、芸術とは「何よりもまず知的次元に属するものである」とするジャック・マリタン(1882-1973)の美学に共鳴するものである。クチュリエ神父はパリ時代からアメリカ滞在期を通じてマリタンと親しく交流していた。クチュリエ神父への影響については以下を参照。Bischof, Hartwig,■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, Paderborn: Ferdinand Schöningh, pp. 49-51.⑼ Orenduff, ■■■■■■■., p. 107.⑽ 1939年に中断されるまで34冊刊行され、戦後は1945年に『カイエ・ド・ラール・サクレ(■■■■■■■■■■■■ʼ■■■■■■■■■)』のタイトルでレガメー神父により再刊される。1954年のクチュリエ神父没後はオーギュスタン゠マリー・コカニャックとジャン・カペラド両神父が編集を引き継ぎ1969年まで継続した。⑾ Rubin, ■■■■■■■., p. 33; 後藤前掲論文(2018年)、10-11頁;同(2019年)、36-43頁。⑿ ルービンはクチュリエ神父の現代美術に対する開かれた態度について、「アメリカ滞在とそこで出会った亡命中のヨーロッパ知識人や芸術家、マリタン、フォション、レジェ、シャガールらの影響によるところが大きい」と指摘している(Rubin, ■■■■■■■., p. 30.)。⒁ Valérie Da Costa, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, Paris: Norma, 2006, p. 92. ただしルービンは、ドヴェミ神父の提案ではなく、出来上がったリシエの磔刑像を見てクチュリエ神父がこの句を想起したとしている(Rubin, ■■■■■■■., p. 162; 後藤前掲論文、2019年、47頁、注41)。後藤はルオーのステンドグラスとリシエのキリスト像との関係を指摘している。ルオーの2点のステンドグラス《辱めを受けるキリスト》と《鞭打たれるキリスト》の主題とタイトルは、花束のステンドグラスに書かれた2つのテクスト同様『イザヤ書』(53:4)から取られており、リシエのキリスト像のテクストとも一致する。これについて、「ルオーとリシエのキリスト像に共通して見られる預言者イザヤのヴィジョンは、画家や彫刻家の個人的で自由な発想というより、クチュリエ神父とドヴェミ神父によってあらかじめ定められたアッシー教会の中心軸を貫く図像プログラムであった可能性が高い」と指摘している(上掲書、47-48頁)。⒀ リシエのキリスト像の制作から撤去に至る経緯については後藤前掲論文(2018年)、11-12頁;⒂ Valérie Da Costa, ■■■■., pp. 92-95.⒃ Jean-Louis Prat, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, Saint-Paul: Fondation Maeght, 1996, p. 92.⒄ ■■■■■■■■■■ʼ■■■■■■ (4 janvier 1951)(引用はValérie Da Costa, ■■■■., p. 163より)。⒅ ⒆ 撤去から約20年後、リシエの死後約10年が経った1969年の復活祭に主祭壇に戻された。⒇ コスタンティーニは日刊紙『オッセルヴァトーレ・ロマーノ』1951年6月10日号の “DellʼArte sacra deformatrice” でリシエのキリスト像に言及している。Jean-Louis Prat, ■■■■■■■., p. 92; 後藤前掲論文(2019年)、46頁。■■■■. 後藤はリシエのキリスト像について「ここに現れているのはジョルジュ・バタイユの言う「聖ぐって」『西南学院大学国際文化論集』第33巻、第2号、2019年、27-66頁。同(2019年)、43-46頁を参照。― 126 ―― 126 ―

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