鹿島美術研究様 年報第39号別冊(2022)
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注⑴ 国際シンポジウム報告書『関西書画コレクションの過去と未来』関西書画コレクション研究⑺ 村角紀子「審美書院の美術全集にみる「日本美術史」の形成」『近代画説』第8号、明治美術⑵ 久世夏奈子「『國華』にみる新来の中国絵画─近代日本における中国美術観の一事例として─」『國華』1395号 第117編 第6冊、2012年。同「『國華』にみる古渡の中国絵画─近代日本における「宋元画」と文人評価の成立─」『日本研究』第47号、国際日本文化研究センター、2013年、51~107頁。⑶ おもな先行研究として、宮崎法子「日本近代のなかの中国絵画史研究」東京国立文化財研究所編『語る現在、語られる過去-日本の美術史学100年』平凡社、1999年、140~151頁。藤原貞朗「日本の東洋美術史と瀧精一 中国美術史編纂をめぐる国際的・学際的競合」稲賀繁美編『東洋意識 夢想と現実のあいだ─一八八七─一九五三』ミネルヴァ書房、301~334頁。塚本麿充「金原省吾と中国美術史学─美術批評と美術史學のあいだで─」『帝国美術学校の誕生─金原省吾とその同志たち』武蔵野美術大学美術館・図書館、2019年、169~191頁がある。⑷ 吉田千鶴子「大村西涯と中国」『東京芸術大学美術学部紀要』第29号、東京芸術大学美術学部、1994年、『大村西崖の研究』(科学研究費補助金(基盤研究C)研究成果報告書、研究代表者塩谷純)東京文化財研究所、2012年。⑸ 後藤亮子「大村西崖の美術史と中国絵画観の変遷」『美術史』第189号、美術史学会、2020年、93~111頁に詳しい。大村西崖が書画作品の将来に関わったことを示す論考として、下田章平「完顔景賢と大村西崖」『美術フォーラム21』第26号、醍醐書房、2012年、87~91頁。戦暁梅「廉泉と大村西崖の交友─『大村西崖宛 廉泉書簡』『南湖東遊日記』を主な手掛かりに」『美術研究』第425号、東京文化財研究所、2018年、35~54頁がある。⑹ 前掲注⑸および菅野智明「書を編み込んだ中国美術通史」『書芸術研究』第12号、筑波大学人⑻ 大村西崖「明治時代 鑑賞」『東洋美術史』図本叢刊会、1925年、516~517頁。⑼ 報告書作成にあたっては、国立国会図書館所蔵[請求記号:410-4](明治43年初版)および東このように、西崖は「龍門二十品」の文字の美を認めながらも、その価値を彫刻史・宗教史の資料として見出していることが窺える。おわりに大村西崖と審美書院が手掛けた、大型図版集については、美術史においては『東洋美術大観』などその価値が高く評価されてきたものの、西崖が同等の価値を見出していた『支那墨寳集』については、これまで検討がなされてこなかった。同書は古渡り作品の鑑賞が主流であった時代的な制約により、作品の判定等に問題はあるものの、美術史形成の中心的な役割を果たしていた人物たちの、辛亥革命以前における「中国書跡」の範疇や蒐集の傾向の一端を示すものとして留意すべき史料であると考える。会、2012年。『中国書画コレクションの時空』関西中国書画コレクション研究会、2022年。間総合科学研究科 書研究室、2019年、53~62頁。学会、1999年、33~51頁。― 462 ―― 462 ―

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