鹿島美術研究 年報第41号別冊(2024)
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⑸ 川本桂子「建仁寺障壁画と海北友松」『日本古寺美術全集』二二 集英社 1983年⑹ 友松と狩野派の関係について、海北家伝来史料では友松の師を元信とし、江戸時代の画伝類は永徳と伝える。元信と永徳どちらに学んだかについては前掲注⑴武田恒夫氏の論文を契機に、永徳に師事したとする見方が主流となった。木村重圭氏は「海北友松の芸術 桃山最後の巨匠」(『聚美』二三 2017年)において、元信の年齢を考慮するとともに当時の狩野派内部の状況を推測しつつ、友松の実質的な教育は松栄がになっていた可能性も示している。会 海北友松』(京都国立博物館 2017年)の作品解説では二つの説があることをふまえたうえで、禅居庵襖絵を本坊方丈襖絵よりも前の制作とする説を支持している。― 260 ―― 260 ―

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