はない。また、破損が激しいが、城の左側に山と木々の模様があり、その下部はさらに、馬と馬車を乗る人物の集団が彫られており、出行図である。（五）、四碑の関係碑を起したグループ間の関連性については、邑子一一五人造像碑は荔非郎虎任安保六十人造像碑座とほぼ同じ発願文を持ち、両碑の造像題記のうち、荔非郎虎任安保六十人造像碑は以下のように記す。「（夫宣照幽）宗、光乎遠著。敬諾聖/（法、運因至） 感。是以像主荔非郎虎、/□□□寿、邑主任安保六十人、/自悼垢彰、未覩真容。述（遂）即相率、（減削微資。仰為）皇帝陛下、大丞相王／□□、（造）石像一区。（工） 盡（以）書之奇像、契金鋼之（妙。雖多宝）彰現於双林、釈迦曜形於浄/飯、（未以遇也）。仰願国祚永隆、兵鉀休息、（使諸邑子）等罪結雲除業障冰散、生生/（遇仏、終登常）楽、一切群生、咸同福慶/（読み取り不可も文字）年歳次丙寅三月癸卯朔二三日訖」邑子一一五人造像碑の題記は以下である。「夫宣照幽宗、光乎遠著。敬諾聖法、/運因至感。是以邑子一百一拾仵（伍）人/等、自悼垢彰、未覩真容。述（遂）即相率、減／削微資。仰為皇帝陛下、晋国公、造／石像一区。工蓋斑（班）□善之奇、像契金／鋼之妙。雖多宝彰現於双林、釈迦曜/刑（形）於浄飯、未以遇也。仰願国祚永隆、/（上残）息、使諸邑子等罪結雲除、業/（上残）生生遇仏、終登常楽、一切/（上残）同福慶/（上残）次 辛巳九月甲辰朔九日造訖（注5）」下線部「雖多宝）彰現於双林、釈迦曜形於浄/飯、（未以遇也）。仰願国祚永隆、兵鉀休息、（使諸邑子）等罪結雲除業障冰散、生生/（遇仏、終登常）楽、一切群生、咸同福慶」という記述は両者に見られる。また、釈迦多宝二仏対坐説法造像碑の碑座と思われる雷伏娥荔非郎虎造像碑座と荔非郎虎任安保六十人造像碑座に同一人物「荔非郎虎」の名前が記され、彼は重要な出資者だったことが想定される。荔非郎虎が造営に参加した両碑、一方で荔非郎虎任安保六十人造像碑座と邑子一一五人造像碑は同じ願文を持つ。上記三碑の関連性が伺われる。二、城図像の系譜─防御機能の重視四碑の城池は邑子一一五人造像碑を除き、他の三碑では下部にいずれも人物出行図が伴う。本来碑陰は人物群像の出行場面を配する場として区分され、そこに城の図像も用いられた。城の配置される位置について、釈迦多宝二仏対坐説法造像碑、荔非郎虎任安保六十― 277 ―― 277 ―
元のページ ../index.html#290