鹿島美術研究 年報第41号別冊(2024)
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注⑴ 仏像出現の起源に関するこれまでの議論の経緯は宮治に詳しい;宮治昭『インド佛教美術史⑵ 古代西北インドの弥勒像の中央アジアや東アジアへの展開については以下で整理を行った; 打⑶ 1836年にL.R.Stacyが酒宴図等を掘り起こして以後、大規模なものから小規模なものまで数々の発掘が行われてきた。しかし、その多くは宝探し的発掘であったり、報告書に不備のあるものも多く、復元的考察は困難な状態にある。かかる事情について完結にまとまった資料としては以下が挙げられる; 東京国立博物館『インド・マトゥラー彫刻展』NHK、2002。⑷ マトゥラーの美術に関して本稿で主として参照したものは以下; J. Ph. Vogel, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, Allahabad, Government Press, 1910; ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, Paris, 1930 ; V. S. Agrawala, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■,■Allahabad: Superintendent, Printing and Stationery, United Provinces, 1933; D. Mitra, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, vol. 21, 1955; 高田修「紀年銘あるクシャーナ時代のマトゥラー仏について」『美術研究』184、1956、95-109頁; 『仏教美術史論考』中央公論美術出版、1969; 山本智教「佛教美術の源泉としてのマトゥラ」『印度学仏教学研究』4-1、1956、93-96頁; A. K. Coomaraswamy, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, New York, 1965; 杉本卓洲「Yaksaと菩薩」『金沢大学文学部論集』3、1983、79-108頁; 「マトゥラーにおける仏像崇拝の展開(その1-3)」『金沢大学文学部論集』17-19、1997-1999; M. Chakrabarti, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, Kolkata, Indian Museum Kolkata, 2006; Sonya Rhie Quintanilla, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■150 ■■■■100 ■■, Leiden, Boston, Brill, 2007; 永田郁「マトゥラーにおける仏像誕生の情況について」『崇城大学芸術学部研究紀要』7、2013年、75-95頁; 『古代インド美術と民間信仰』中央公論美術出版、2016; 安田治樹「ガンダーラ、マトゥラーの初期仏陀像をめぐるいくつかの問題」『立正大学大学院紀要』30、2014、1-21頁; 田辺勝美「ティリャ・テペ/スルフ・コータル/マトゥラー」『佛敎藝術』350、2017年、57-81頁; R. C .Sharma, ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■, 2019 etc.⑸ マトゥラーの宗教文化について主に参照したものは以下; 山田龍城『大乗仏教成立論序説』平楽寺書店、1956; 佐々木教悟「ハルシャ王の治世におけるマトウラー佛教の動向」『印度学仏教学研究』5-1、1957、37-40頁; 高橋堯英「クシャン朝下のマトゥラーにおける宗教事情に関す一考察」『印度学仏教学研究』46-1、1997、159-163頁; 「サカ・クシャン時代に於けるマトゥラーの宗教事情に関する一考察」『大崎学報』160、2004、79-91頁; 中村元『ブッダの世界』学習研究社、2000 etc. また、マトゥラー近郊より出土した銘文については以下を参照; Lüders,H. されており、同じ六欲天内に属する一天界の主として、インドラ同様に方形冠を着用させたと考えることもできる。とはいえ、先に述べた通り、マトゥラーは様々な宗教文化の息づく地であり、図像同士の交流を介して思想的な交流が行われていた可能性は高い。インドラ像やナーガ像がしばしば水瓶を執ることにも注意しつつ、今回調査で得られた情報を下敷きに、さらなる検証をすすめたい。論』中央公論美術出版、2010、30-53頁。本和音『弥勒信仰の初期形態についての基礎的研究』(博士学位申請論文)、2018。― 292 ―― 292 ―

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