鹿島美術研究 年報第41号別冊(2024)
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⑸ 長谷川智恵子「アトリエ訪問 小磯良平氏に聞く 神戸での閑談、そのかな時の刻み」『繪 ⑿ 小磯良平「人体デッサンのコツをつかむ法」『アトリエ No.498』アトリエ出版社、1968年⒀ 前掲注⑾より⒁ 『特別展 没後10年 小磯良平展』兵庫県立近代美術館・神戸市立小磯記念美術館・神戸新聞社、  「今一枚『オーギュストにむかってレイネードを語るヴィルジール』と云う絵がありますが、(中略)私個人の考えでアングルの仕事をコムポジションのものと肖像画の仕事とにわけるならば構図された絵のうちでこの図が一番私にピッタリ來る仕事です。私の想像するアングルはこの図一枚で満たされます。フランス正統を現代につなぐ大切なポイントになる一枚だと信じています。」⑶ 挿絵の制作プロセスに関する先行研究として、筆者自身による「小磯良平:連載小説の挿絵をめぐって─下絵からみえてくるもの」『小説挿絵の魅力─文芸作品に伴走して』(北海道立文学館、2021年)がある。⑷ 嘉納邦子「連載 あの日あの時、そして今(3) 父・小磯良平〔前編〕優しさの中にピリッとしNo.200』、日動画廊、1980年⑹ トレーシングペーパー様の紙には裏打ちが施されているため、トレーシングペーパーであると断定はできない。しかし、この紙に描かれた下絵は、全体を描いた図と、人物などの一部分を抽出して描いた余白の大きな図とが存在している点において、辻智美「小磯良平と聖書の挿絵」『小磯良平 聖書のさしえ展』(神戸市立小磯記念美術館・笠間日動美術館、2008年)で言及されていたトレーシングペーパーを用いた聖書挿絵の下絵の作例とよく似ており、トレースを行った痕跡であると捉えることが可能である。なお、神戸市立小磯記念美術館に収蔵されている小説挿絵の下絵と思しき資料や、過去に他のオークションに出品された小説挿絵の下絵などにも、トレーシングペーパーの使用が確認されている。⑺ 川端康成「あとがき」『古都』新潮社、1962年⑻ 前掲注⑸より⑼ 嘉納邦子「父をしのぶ 私の好きな絵」『月刊神戸っ子 No.450』㈲月刊神戸っ子、1998年⑽ 前掲注⑷より⑾ 小磯良平「モデルによる人物画入門 デッサンから彩色まで」『アトリエNo.355』アトリエ出版⒂ この作品について小磯は、小磯良平「ドミニック・アングル─画人傳─」『美術手帖 No.30』(美⒃ 前掲注⑿⒄ 木田文夫『子どもの心とからだ』(学習研究社、1961年)や、石坂洋次郎『カラー版日本文学 『企画展 小磯良平の挿絵とデザイン展』(神戸市立小磯記念美術館、1997年)、『神戸市立小磯記念美術館所蔵作品目録VOL.3』(神戸市立小磯記念美術館、1999年)、辻智美「小磯良平の新聞・雑誌連載小説の挿絵の研究」『鹿島美術研究 年報第21号別冊』(鹿島美術財団、2004年)た雰囲気」『月刊美術 No.299』サン・アート、2000年社、1956年1998年、155頁術出版社、1950年)で以下のように述べている。  なお、この随想に対する論考として廣田生馬「小磯良平とアングル『ドミニック・アングル─画人傳─』を中心に」『神戸市立小磯記念美術館研究紀要 第1号』(神戸市立小磯記念美術館、1996年)も参照した。全集30 石坂洋次郎』(河出書房新社、1968年)などに小磯の挿絵が掲載されている。― 29 ―― 29 ―

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