⒁ 猿渡紀代子「画家・笠木治郎吉が生まれたところ─そのルーツ[精神的ふるさと]を探って」(細 本稿で取り上げた作品以外にも同様のことが指摘できる。例えば《帰猟》(府中市美術館)と《狩人》(高野コレクション)や《花を持つ少女》(高野コレクション)と《百合を持つ女》(かさぎ画廊)などがある。⒀ 日本における初のパノラマ館は第三回内国勧業博覧会が開かれた明治23年5月7日、上野公園の東京美術学校裏手にあたる護国院付近の一角に開設された日本パノラマ館日本初のパノラマ館、帝国パノラマ館が開設された。六角形の建物のなかには、ジョセフ・バートランド、ルーシェン・サルジェントというフランス人画家によるアメリカ南北戦争のパノラマ画でサンフランシスコパノラマ館に飾られたものを購入したものが持ち込まれた(《日本パノラマ館「南北戦争」説明図》《日本パノラマ館開業案内引札》による)。また、前記上野パノラマ館には、矢田が手掛けた、戊辰戦争中、白河小峰城で、官軍と奥羽越列藩同盟軍との激戦(慶應四年)を描いた《奥州白川太戦争図》〔『読売新聞』1890年5月4日付〕など公開された。⒂ 本作は、笠木英文氏が所蔵者より連絡を受け2018年にその存在が確認されたものである。2023⒃ 小杉放菴記念日光市美術館学芸員迫内祐司氏のご教示による。⒄ 『発見された日本の風景 美しかりし明治への旅』毎日新聞社、2021年、作家解説による。⒅ 当館寄託作品の内、《鉄砲をかまえる猟師》、《網を打つ漁師》には「1902」の透かしが確認で⒆ 鈴木輝實「笠木治郎吉の「油彩画的水彩表現」」『おかえり美しき明治』府中市美術館 2019年⒇ 多くの現存作品は約50×33㎝ほどである。それより大きなサイズもあるが、基本構図とはこと 前掲注⑽『毎日新聞』井聖『朝焼けと狩人 幻の画家、笠木治郎吉の生涯』かまくら春秋社、2022年3月30日)年稿者は実見する機会を得た。きる。なる作品であると思われる。― 407 ―― 407 ―
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