鹿島美術研究 年報第41号別冊(2024)
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(1-2)『草筆画譜 二編』(スミソニアン図書館本(注6))(1-3)『草筆画譜 三編』(川崎・砂子の里資料館本A、太田記念美術館本、筆者所蔵本)よる出版の可能性がある。形状・丁数:彩色摺 中本一冊 21丁版元:松林堂(藤岡屋慶次郎)序文:式亭小三馬改印:「福(島)」「村松」外題:立斎艸筆画譜 二編内題:草筆画譜二編制作年:嘉永3年(1850)初秋(序文)後見返しの奥付では、初編と同じ「三都書林」から出版されていることが示されている。初編と同じく、後摺と思しき川崎・砂子の里資料館本Aでは表見返しに記されている版元が錦昇堂(恵比寿屋庄七)に変わり、後見返しの奥付がなくなる。また、一部に雲母摺が確認できた。同じく錦昇堂(恵比寿屋庄七)より出版されている筆者所蔵本では雲母摺が確認できなかったが、初編と同様、21丁のうち6丁において袋綴じの内側に石野美満子編『地震並出火細見記』(安政2年(1855)初冬序)の一部の紙葉が使用されていた。さらに後の摺りと思しき川崎・砂子の里資料館本B(表見返しの内題が「艸筆画譜」に変更)および太田記念美術館本(表見返しの内題が「艸筆画譜 二編」に変更)では、外題が楷書の『草筆畫譜 貮編』となる。表見返しおよび裏見返しに版元の記載がないものの、外題の書体の共通性から、錦昇堂(恵比寿屋庄七)または文昇堂(熊谷庄七)による出版の可能性がある。形状・丁数:彩色摺 中本一冊 20丁版元:錦昇堂(恵比寿屋庄七)序文:二代目南仙笑楚満人改印:「福(島)」「子十」「村松」外題:草筆畫譜 三編内題:艸筆画譜三編― 447 ―― 447 ―

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