鹿島美術研究 年報第41号別冊(2024)
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Ⅲ.「美術に関する国際交流援助」研究報告⑴ 外国人研究者招致① 18世紀フランス美術研究期   間:2024年4月16日~4月30日(15日間)招致研究者:フランス、ローザンヌ大学 名誉教授報 告 者:同志社大学 文学部 教授  吉 田 朋 子2024年4月16日より4月30日まで、クリスティアン・ミシェル氏(ローザンヌ大学名誉教授)を招聘した。ミシェル氏は、17-18世紀のフランス美術の研究で世界的に知られる。シャルル=ニコラ・コシャンやヴァトー等に関する著書をはじめとする多くの業績の中でも、ジャクリーヌ・リヒテンシュタイン氏との共著で出版された王立絵画彫刻アカデミーのコンフェランス集(2007-2015年)はフランス美術研究にとって必須のレフェランスとなっている。『王立絵画彫刻アカデミー(1648-1793):フランス画派の誕生』(2012年、英訳2018年)では、フランス学士院の2014年度ウジェーヌ・カリエール賞を受賞された。パリ大学・ローザンヌ大学で多くの後進を指導され、教育者としての貢献も大きい。大変ご多忙な中、ローザンヌ大学退職のタイミングで初来日が実現した。招聘にあたっては、ミシェル氏のもとローザンヌ大学で博士号を取得し同大学文学部賞を受賞された小林亜起子氏(多摩美術大学)と共同してミシェル氏との連絡・滞在期間中の対応にあたった。招聘の主たる枠組みは、美術史学会の第10回辻佐保子美術史学振興基金講演会であった。ここで、氏の最新の研究をご披露いただきたいと考えた。また、機会の希少性・ミシェル氏の幅広いご研究内容を鑑みて、題目と会場を変えて日仏美術学会主催の講演会も開催することを検討した。しかし、昨今の航空運賃ならびに滞在費の高騰により、辻佐保子美術史学振興基金と日仏美術学会の資金のみでは招致が難しく、本助成によりミシェル氏の初来日がかなった。クリスティアン・ミシェル(Christian Michel)― 631 ―― 631 ―1.2023年度助成

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