鹿島美術研究 年報第42号別冊(2025)
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順番⑦⑧⑨⑩⑫《宵星》昨夜的祈祝時,倚身樹上。便眼涙盈盈,仿佛在悲懐中流盡了。涙盈盈追想母親的 面影時,在夜天上,許是母親的瞳人罷,一顆星微笑着消隠了。「宵星」ゆふべの祈りに樹に奇れば なみだしみじみかなしみの 胸にあふれて消ゆここち、なみだほろほろ亡き母の 面影追へば宵空に 母のひとみか一つ星 ほほ笑みながら消ゆごとし。《春天──和上方的都女子一同詠春──》少女揚着美麗斑斕的 圍巾,招呼朋友,公子揮霍了長袖,舞着回答她的舞蹈。翳鳥展開那狂舞的翎毛,踏着春草,在歓娯中醉倒,□鳥被花朶圍環,静静地吟咏。櫻花繚乱成明霞,将落英流向春風,如夢。「春─そのかみの、みやこのをとめと、はるをうたへる─」をとめは美へなるいろどりの 被巾うち振りて友をよび、きみは長袖振りかざし これに答への舞を舞ふ。翳鳥は亂舞の羽根をひろげ 春草を蹈んで歓喜に酔ひ、□鳥は花にもたれて しづかにうたふ。櫻はれうらんと霞に浮び 落花を春風に夢とながす。《温室的窗》雪片,像是銀色的蝴蝶,从遠天裏 翩翩飛降。哀哉,迷惘的一雙胡蝶,慕着紅花,飛近温室,要進窗去,──忽地消亡。唉唉,窗的玻璃上,……滴落着的 悲哀的胡蝶的 眼涙……閃閃生光。「温室の窓」雪は 銀色の胡蝶のやうに はるかの空から 舞ひおりる。あはれ 迷へる 一翅の胡蝶 赤き花を慕ひて 温室にちかづき 窓に入らんとして ─たちまち消ゆああ 窓のガラスに ……したたり落ちし かなしき胡蝶の 涙は……光る。《紫花地丁》花卉們都外向,鬧蜨蝶,吸春光,楽高飛的云雀的蜂火,在春風中跳舞,使小鳥児歌唱,還和那装模作様的紅蛙児,“哈哈春呀”的一同謔浪。春的野上,不管□享楽的争開,獨有紫花地丁悄然低首,芳容被涙影沈埋。「 」花みな おもてをあふぎ 春日を吸ひ、蝶にたはむれ あげひばりの煙火に興じ 春風に踊り、小鳥を唄はせ さては氣取りやの赤がへると一緒に はろ はろ春と わらひくづれる。春の野の この享楽の咲きみだれをよそに ひとり菫はしづかにうなだれ うるはしきおもてを 涙にくもらす。《病在野間的小鳥》春在那里的野間呢,願也快来探訪□荒野,来擁抱旅中卧病,思慕你的孱弱的小鳥罷。傷于無愛的厳冬,畢生一意要會春天的 逃来的為相思瘦損的小鳥,獨在野間抱病了。春在那里的野間呢,願也快来探訪□荒野,飾病的小鳥的梦以繁花,卧房以錦繍罷。倘夜露溶開花蜜,可潤焦渴的小鳥的喉嚨,聚起羣芳的花粉来,也會醫好破的毛羽的。春在那里的野間呢,願也快来探訪□荒野,飾病的小鳥的梦以編花,以錦帳罷。「野に病む小鳥」春はいづくの野にありや、疾くこの荒野にも訪れて おんみを慕ひ旅に病み卧す、可弱き小鳥を抱き給へ。愛なき冬に傷つきて、いのちのかぎりいつしんに 春に會はんとのがれきたれる、戀やつれの鳥はひとり野に病む。春はいづくの野にありや、疾くこの荒野にも訪れて なやめる小鳥の夢に花盛り、錦に寝部屋を飾りたまへ。夜露に花の蜜溶かば、渇ける小鳥の喉によし 千草の花粉あつめなば、破れたる羽根も癒ゆるべし。春はいづくの野にありや、疾くこの荒野にも訪れて 病める小鳥の夢に花織り、錦のとばりを飾りたまへ。 ⑪ 《為雪風所推送》「吹雪に追はれて」* 図版と魯迅訳詩は『魯迅編印美術書刊緝存十三種』(2014)より引用。蕗谷虹児原詩は《虹児画譜》(1924)の第 1 輯『睡蓮の夢』と第 2 輯『悲しき微笑』より引用。踊り字は「々」に統一した。― 496 ―― 496 ―魯迅訳文(上部)  蕗谷虹児原文(下部)図版

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