ボストン美術館 日本美術総合調査図録 図版篇
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□子□□□仏□□備えた懸□□□こに属する。刺繡で像を表した繡□□仏□□瓶□□□ 荘厳とは、「厳□□かに荘□□接飾るものに宝冠・瓔□□珞□□□ 仏を香・花・燈□□□□幡 「仏具」とは、ほぼ「仏教関係の道具」という意味である。「仏教工芸」あるいは「仏教工芸品」という造語もあるが、「工芸」という言葉の概念を考えると、ここに上げたすべての道具がはたして「工芸品」としての価値を有するかという判断も生じるので、あえて「工芸」という語を用いないこととする。ボストン美術館が収蔵する仏具は、彫刻や絵画など他の分野と若干性格を異にしている。というのは、リストで掲げた174点のうち125点、すなわち70パーセントを優に超える作品がウィリアム・スタージス・ビゲロー(1850〜1926)の収集したもので、しかもそのうち密教関係の法具類が大半を占める。ビゲローについてここで詳述することはしないが、彼が来日ののち仏教に傾倒し、大津・法明院の桜井敬徳を導師として授戒して月心(Gesshin)という戒名を得たことはよく知られている。法明院は、天台宗・園城寺(三井寺)山内の律院であり、彼はその後、密教修法に必携の法具類を旺盛に収集したものと思われ、それがコレクションに反映されている。そのこともあってかそれらは近世・近代の仏具職人による形骸化したものが多く、美術工芸品としての価値は大きくない。 次にコレクションについて、主に作品の用途に着目して分類し概観したい。なお、初版本の凡例に掲げた項目は以下の通りであるが、各項目に属する作品については一部訂正したうえ、各々について解説および主要作品を挙げる。 いわゆる工芸技法によって製作された「像」がこ別鋳半肉彫りの像を取り付け、奉懸用の吊鐶金具をがある。7番「五尊懸仏」は、釈□如来、白銅製円板に原)政次」が製作したことを記すが、それに□る寛を中心に、薬師如来、勢至菩□、十一面観音、地蔵菩□をいずれも別作の半肉彫像を取り付けて表したもので、鎌倉時代の特色をよく示している。堂の内外、経典などを装飾することである。像を直光背・厨子などがある。また仏の遺骨である仏舎利を納める舎利容器・舎利厨子といった「仏舎利荘厳具」、経典を納置する「経荘厳具」、堂内を飾る「堂内荘厳具」などがある。師に贈った舎利塔には「宮嶋半四郎久次」の銘があり、宮嶋半四郎の系譜が□れる。 堂内の梁や柱にかけ□らせた幡の遺品として、14神照寺伝来と考えられ、一具のものが東京国立博物館に収蔵されている。ことは『法華経』などに説かれるが、そのために用いる道具が供養具である。香を入れる香合、焚くための香炉、火を燈すための燈籠のほか、花を盛る□□花、飲食をそなえる鋺・鉢類がある。47番「香合」は、来迎図を表したものの一部とみられ、蓋表に、飛雲に乗る菩□像を平塵地蒔絵で表しており、類品がMIHO MUSEUMとクリーブランド美術館にある。42番「鋺」や43番「平鉢」は、法隆寺に伝 10番「火焰宝珠形舎利容器」は、裏面に元禄7年文6年(1666)、後水尾天皇が黄檗宗を開いた隠元禅〜15世紀の製作になる27番「種る」という意で、尊像、仏、あるいは付属する台座・・飲食のなどを仏に捧げ供養する」は、滋賀・関根俊一①像(1〜7番)(1694)に京都の「舎利塔師」である「宮嶋半四郎(藤②荘厳具(8〜28番)③供養具(29〜47番)58ボストン美術館の仏具

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